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里親探しは「獣医師広報版」
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江ノ島水族館館長・堀 由紀子さん <2000.8>
 水族館は好きですか? 世界の中でも特に日本人は水族館が好きだといわれています。周りをぐるりと海に囲まれ、魚を食べて生きてきた日本人のDNAには、魚を鑑賞して楽しむということと、その一方で食欲をそそられるということが、不思議とマッチしているのかもしれませんね。私も水族館は大好きです。そして魚を見ながら「わぁ、きれい!」と言いつつ「でも、きれいすぎてうまくなさそう」と思ったり、泳ぐアジなどは、「これはうまそう」と思ったりしてしまいます。また、薄暗い室内に明るく照らし出されたガラスの向こうで泳ぐ魚やクラゲの姿は、何か幻想的で、夢の世界にいるような、不思議な気分にもさせてくれます。日本人にとって水族館は、「夢と食欲のワンダーランド」、、、かもしれません。(私だけかしら?)
 ところで、水族館というのは、むかしは「魚を展示して見せる」ということが主な目的でした。今のようにダイビングなどなかなかできない時代には、街の中で海の様子が見れるというのは大変な驚きだったわけです。しかし、現在ではその水族館の役割も変わってきているようです。
 8月4日、私たちは、かねてからどうしても行ってみたかった神奈川県藤沢市にある江ノ島水族館を訪ね、館長さんのお話を伺いました。江ノ島水族館の館長さんは女性で、堀 由紀子さんとおっしゃいます。
 東京のお生まれで、立教大学社会学部卒業。現在、国立科学博物館評議員、社団法人日本動物園水族館協会理事、財団法人世界自然保護基金日本委員会評議員、神奈川県博物館協会理事、中国科学院水生生物研究所バイジー館名誉館長、株式会社江ノ島水族館代表取締役社長・館長をされています。著書に「水族館のはなし」(岩波書店)があります。
館長さんになられたのはいつ頃ですか?
 昭和61年からです。初代館長が昭和29年から47年、二代目が47年から61年で、私は三代目になります。
館長さんになっていなければ、今頃なにをされていたと思いますか?
 34歳の時にこの仕事を始めることになりました。今までは生物学的な観点から館長職をされていましたが、私は社会教育的側面から水族館の運営と経営に携わることになりました。それまでは日本舞踊をやっていて、名取りなんですよ(!)。 もし今の仕事をしていなければ、そのまま主婦をしながら日本舞踊をまだやっていたかもしれませんね。
今でも日本舞踊を?
 いえ、今はもう忙しくて‥‥‥、とにかく時間がなくなってしまいました。見るのは大好きなので、ときどき見に行きますよ。歌舞伎とかも好きですね。
江ノ島水族館というのはどんな水族館ですか?
 魚やクラゲの展示をする「水族館」と、イルカショーなどをやる「マリンランド」、それとアザラシやペンギンなどの「海の動物園」の3部門があります。 淡水、海水、脊椎動物から哺乳類まで、水生の生物を扱う「総合水族館」ですね。アシカやアザラシの飼育やイルカショーは、実は江ノ島水族館がパイオニアなんですよ。また、実務教育の場としても、地元の学校とは協力関係を持ち続けています。「藤沢発メダカの学校」や「水の生き物Q&A」などのCD-ROM、L-NETによるバーチャル教室等を通じて、教育的な活動にも積極的に取り組んでいます。
そういえば、メダカって絶滅危惧種になってしまったんですよね。水族館にメダカがいるってこと自体がショックです。
 昔はメダカやオタマジャクシはいっぱいいたんですけど‥‥。「藤沢メダカ」を通して、地元のみなさんにも、もっと身近な環境に興味をもっていただきたいです。
水族館で魚を管理していて一番気を使うことはどんなことですか?
 まずはエサですね。どんなエサを与えたらいいのかということ。それから、水温、水質、水流などの環境です。できるだけ自然の状態に近い環境を再現できるように。それから、生物の補充にも苦心します。飼育していた生物が死んだりした時に、どうやってそれを補充するかということですね。
水族館で一番みんなに見てもらいたいことは?
 カメ。ウミガメです。ここに来てからもう44年生きています。来る前にも海で生きていたわけですから‥‥。陸ガメは200年くらい生きるそうですが、ウミガメについてはまだよくわかっていないんです。それと、水槽によってそのテーマは何か、自分で考えながら見ていただきたいですね。クマノミとイソギンチャクの共生とか、それぞれテーマがあるんですよ。
水族館の社会的役割って何でしょう?
 ひとつはレクリエーション、そして教育、調査研究、自然保護です。水族館でも種の保存ということが、大切な役割になってきました。水族館には海を知らない水族館生まれの生き物もたくさんいるんですよ。私としては、押し付けの教育ではなく、純粋に感性を刺激したり好奇心を刺激したりするような感動体験が得られるような場でありたいと考えています。見て、考えて、感じてほしい。教育とエンターテイメントが在る水族館ということでしょうか。
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水族館に来るのは、やはり子どもたちが多いですか?
 そうですね。遠足や修学旅行などで遠くからも来てくれます。でも、お年寄りのかたもけっこういらっしゃいますよ、ご夫婦で。スケッチブックを持って、ずっと絵を描いている人や、写真を撮っていらっしゃるかたもいます。
理想の水族館とはどんな水族館ですか?
 ただ生き物を展示して見せるだけではなく、生態系全体を見ることが理想です。エコミュージアムともいわれています。海があり、緑の植物があり、自然との一体感を感じられる場所になれたらいいですね。江ノ島水族館も4年後には新しく生まれ変わる予定なんですよ。より海との関係を強く出していけるようにしたいと思っています。まるでダイビングで海に潜っているような感じになれるといいですね。
いいですね。海の中までトンネルで続いているとか‥‥。
 ただ、ここってすごい遠浅なんですよね(笑)。
では、未来の水族館はどうなっていると思いますか?
 そうですね‥‥、魚だけではなく、海そのものが重要になると思います。自然との共存はテーマです。地球における海の意味するものとは何なのか。今は学校でも魚のことは勉強しても、海って何なのかということについては、あまり教えられていませんよね。でも、本当は重要なことなんです。海はすべての生命の源なんですから。
世界の水族館と日本の水族館では何か違いがありますか?
 ヨーロッパの水族館はよりアカデミックですね。動物学、生態学といった見地から運営されています。展示の仕方もとても美しいですね。アメリカではアカリフォルニアのマリンランドのようにアミューズメント性が強く、シーワールド形式の大規模な施設が多いです。イルカショーなどもアメリカから入ってきたものです。また、海外の水族館は、文化的事業としてほとんどが公立の施設ですが、こういった文化事業に対して、ヨーロッパでもアメリカでも、民間からの寄付がたくさんあります。それによって、とてもうまく運営されているようです。
海外の水族館と、何らかの協力体制はあるのですか?
 カリフォルニアのモントレー水族館にはクラゲの飼育技術を提供しています。クラゲのコティロリーザ・ツベルクラータは、ドイツのベルリン水族館からポリプを贈られて、江ノ島水族館で幼生を遊離させました。
 ラッコの「ララ」と「ココ」はカナダのバンクーバー水族館からやって来ました。それと、この水族館には、珊瑚や、微生物が共存し常に海水をクリーンに保つことができる水槽として有名な「モナコ水槽」(モナコで開発された)があります。
ところで、館長さんは何かペットを飼っていますか?
 いえ、しょっちゅういろんなところに出かけてしまうので、個人的に何か飼うってことはできないですね。ただ、家の庭には野良ネコたちが自由に出入りしているんです。タヌキもいるみたいで‥‥(笑)、穴があるんですよ、タヌキの。庭の木には鳥もいっぱい来ます。ただ、カラスが巣を作ったときには、近所の子どもたちを狙って危ないので、それはお巡りさんにたのんで撤去してもらいました。
一番好きな魚はなんですか?
 そうですね‥‥‥やっぱりきれいな魚が好きですね。
食べるのは?
 先日、伊勢エビをいただいて、とってもおいしかったです。伊勢エビって主におめでたい時に食べますが、8月から漁が解禁されるんですね。あと、アジ、サバ、青い魚ですね。
自分を魚にたとえたら?
 え~っと、何でしょう? 好奇心が強いからサメ? でもサメじゃあなんだし、イルカかしら。
じゃあ、イルカってことにしておきましょう(笑)。最近一番気になった動物関連(水の生き物)のニュースはありますか?
 場所はどこだったか忘れてしまったのですが、ものすごく大きなエチゼンクラゲが上がったという話を聞きました。ご一報いただければ、標本としてでも保存したかったです。みなさん、これから何かあったらどうか江ノ島水族館へご一報下さい。
海や川の汚染の危機はお感じになりますか? それによって、何か水族館にも影響がありますか?
 川から流れて来るゴミがひどいです。それに、つい最近もダイオキシンの問題が話題になりましたよね。水族館としても2年に1度定期的な水生生物の生息調査を続けていますが、生物の数がどんどん減っています。私たちがまず出来ることとして、今の環境の実態をみなさんにお知らせし、そうした広報の役割をしながら水質の改善へと働きかけています。
海や川の汚染を少しでも減らすためにはどのようにしたらよいでしょうか? 私たち一般人にできることはありますか?
 とにかくゴミを捨てないということです。海岸や、川にゴミを捨てない。そういう基本的なマナーを守ってほしいと思います。それに、一番問題なのは、家庭の台所から出される油や洗剤なんです。工場などには規制があるのですが、家庭から下水を通じての河川汚染ということも考えてもらいたいと思います。
水族館で今一番困っていることは?
 江ノ島水族館ではやっぱり水槽の大きさですね。水はとても大切なのです。水の流れ、水質、そして量がとても大事なポイントとなります。それと、エサの問題です。近年、魚の値段が高くなってきています。イワシなどの魚が減少して、それと共に、値段が高くなっていることです。
国・公立の水族館と比べて、株式会社である江ノ島水族館の優位性はどこにあると思われますか?
 やはりエンターテイメント性です。「うわぁ、すごい!」って楽しみながら、生き物に対する親しみを感じて欲しいです。それはとても重要なことです。それと、お客様とのコミュニケーションですね。
最後に、館長さんの将来の夢は何ですか?
 旅行が好きなので、世界旅行に行きたいです。それも、それぞれの土地に1ヶ月くらいづつ滞在するようなゆったりとした旅行。好奇心が旺盛なんですね。
なるほど。きょうはお忙しいところ本当にありがとうございました。

堀館長さんは、本当に好奇心とバイタリティー溢れるサメ‥‥じゃなかったイルカのような素敵な女性でした。これからもますますご多忙になられるようですが、イルカのように健康管理にも気をつけて、高く高くジャンプして下さいね!

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