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ブルーミントン動物病院
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里親探しは「獣医師広報版」
獣医師広報版

P.E.T.S.行動コンサルテーションズ・水越美奈さん <2001.3>
 今回のインタビューは特集の「犬・大研究!」に連動して、犬のしつけについて教えていただこうと、『P.E.T.S.行動コンサルテーションズ』の水越美奈さんにお話を伺いました。私たちの“しつけ”に関する認識は間違っていないでしょうか? じっくり耳を傾けてみましょう。
まず、水越さんの現在までの経歴を教えて下さい。
 平成2年、日本獣医畜産大学卒業。動物病院に約6年間勤務の後、動物行動学を学ぶために渡米しました。最初は「サンフランシスコSPCA」というアニマルシェルターでボランティアとして働き、問題行動の治療や聴導犬の訓練を学びました。それから行動治療の専門病院で研修を受け、1999年から日本で「P.E.T.S.行動コンサルテーションズ」を主宰しています。
現在、P.E.T.S.行動コンサルテーションズで行われているお仕事の内容は?
 問題行動のある犬や猫の治療です。動物を預かるのではなく、往診専門です。問題行動に関しては、生活環境全体を含めて考えなければ、治療にはなりません。例えば、「無駄吠えをする」と言っても、犬小屋の位置をちょっと変えるだけで、改善されたりもするんです。
なぜそのお仕事を選ばれたのですか?
 学生の頃から“しつけ”には興味がありました。大学を出て病院で勤務してみると、犬と暮らしていて楽しくなさそうな人が多いことがわかり、自分の経験からアドバイスもしていましたが、しつけというのは診療の合間にできるようなことではありません。ちょうど卒業して5、6年たつと、普通は開業を考える時期なのですが、私は雑誌や本などで動物の行動学が欧米では獣医の分野であることを知り、渡米を決めました。
問題行動に対する治療方法の具体的な例を教えて下さい。
 まず、飼い主さんに犬がなぜそうするのかを理解してもらわなければなりません。犬の行動には理由があります。犬の視点で考え理解していないと、しつけが逆効果になることもあります。
 例えば、「吠える」と言っても攻撃の意味で吠えているのか、恐怖心から吠えているのか、また、寂しいから吠えているのか、原因がわからなければ正しいしつけはできないということです。恐怖心から吠えている場合、叱ってしまうとよけいに恐怖をいだき、また吠えてしまうことになるんです。
犬のしつけをする上で、一番大切なのはどういうことですか?  問題犬にしないために飼い主が心がけなければならないことは?
 犬の視点で見ることですね。そして、飼い主にとって、犬が望ましいことをした時には、誉めてあげることが大事です。吠える時には「ダメ」と言って声をかけるのに、静かにしている時にはほったらかしでは、犬もどうしたらいいのかがわかりません。犬に何をしたらいいのかを教えるために、いいことをした時には誉めてあげることが必要です。
しつけに失敗した例で、最も多いのはどういう理由ですか?
 「叱ってるんですけど、聞かないんです」とおっしゃるかたが多いですが、聞かなければ叱ってないのも同じです。悪いことをやめなければ罰にはなりません。また、良いことをした時に誉めてもらえないと、犬は叱られることも「かまってもらえる」と思ってしまうのです。
 また、ご褒美が“賄賂”になってしまっている人がいます。賄賂とご褒美は違います(笑)。おやつをあげないと命令を聞かないのでは、命令ではなく、“お願い”ですよね。
 私は「アルファ・シンドローム(権勢症候群)」という言葉は嫌いです。犬は虎視眈々とアルファ(群のリーダー)の座を狙っているわけではないのです。この言葉のせいで誤解され、犬をねじ伏せなければならないと考える人もいます。でも、本当は信頼関係の問題なんです。飼い主さんは犬にとって信頼できる人でなくてはなりません。「この人の言うことを聞けば、いいことがある」と犬に思ってもらわなくてはなりません。ある時は犬の言うことを聞いて好きにさせておきながら、ある時は「ダメ」と叱ったのでは、犬は混乱してしまいます。飼い主を信頼していなければ、叱られたことも「攻撃された」と感じてしまうのです。
アメリカと日本で、しつけに関してオーナーさんの考え方の違いはありますか?
 アメリカでは日本よりも“犬が家族の一員である”という考え方が浸透しています。子犬を飼ったらまずワクチンとしつけ教室はあたりまえになっています。しつけ教室にも家族全員が参加します。日本では困ったことになってからしつけ教室に行くことが多いですし、誰か一人にそれを押しつける場合がほとんどです。
現在の日本でのペット事情で、最も問題だと思われる点はどんなことですか? しつけはもちろんですが、それ以外のことでも。
 子犬の育て方に問題が多いです。日本では小さい子犬を望む人も多く、親から離すのが早すぎると思います。まだ犬としての社会化ができていないのに親から離してしまうことには問題があります。
 また、ワクチンが終わるまでは散歩に出てはいけないと言われていますが、高層マンションなどの部屋の中で、家族以外の人を見たこともなく、他の犬などの動物も全く知らず、車の音も聞いたことがない状態で育ってしまうと、いざお散歩デビューをした時に、他の人や動物、物音に過剰反応してしまうことになります。
 ワクチンが終わっていなくても、だっこした状態で時には外に出てみることも必要です。ご近所との人間関係も大切なことですから、この時期に子犬を連れてごあいさつしておくのも、トラブルを避けるための有効な手段でもあります。
お仕事で一番大変なことは何ですか? 一番気を使われることは?
 「もうダメ!」とパニック状態になっている飼い主さんに、いかにやる気を起こしてもらうかということです。逆に、かなり危険な状態にあるにもかかわらず、危険性に気づいていない飼い主さんもいます。ガブガブ噛まれていても平気だったり(笑)。問題行動の治療を実際にやるのは飼い主さんですから、飼い主さんにやる気になっていただかないと。
お仕事で一番楽しいことは何ですか?
 犬と飼い主さんの関係が改善されて、ハッピーになってくれることです。
水越さんご自身はペットを飼っていますか?
 はい。犬が2匹と猫が5匹います。犬は7歳のシェルティーと2歳のアフガン。猫はアメショが3匹、シャムが1匹、チャトラが1匹です。それぞれちょっぴりワケアリのコたちですが‥‥。
今後の活動のご予定は?
 日本盲導犬協会神奈川訓練センターで、定期的に「パピーセミナー」と「老齢犬セミナー」を行っています。日程などは日本盲導犬協会のHPに掲載されていると思います。これは広く一般から募集していますので、皆さん来てくれることを歓迎しております。兵庫県動物愛護センターで、問題行動についての講演もあります。埼玉県鶴ヶ島市大橋公民館の「ドギークラブ」というしつけサークルでセミナーもやる予定です。
犬のオーナーのみなさんにお伝えしたいことはありますか?
 犬のことをもっと知って下さい。
そうですよね。
 はい。それに尽きますね。
ありがとうございました。
 どこから見ても「動物が好き」って感じの水越さん。次の日にはアメリカに行かれるというハードスケジュールにもかかわらず、大変丁寧にお話していただきました。「愛犬の友」3月号と「PEPPY」の春号にもしつけについて書かれているそうですから、みなさん、読んで下さいね。
 また、水越美奈さんと、臼井玲子さん、小林豊和さんの3人で書かれた「愛犬の育て方」(新星出版社)という本があります。とてもわかりやすく、犬について知るためには役立つ本ですので、子犬を飼われるかたは必ず読んで下さいね。
●『P.E.T.S.行動コンサルテーションズ』メールアドレス:MinaVET@aol.com
財団法人日本盲導犬協会HP
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