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里親探しは「獣医師広報版」
獣医師広報版

フリーライター・松田道生さん <2001.10>
 さて、東京のカラスたち。困ったものですね。カラスが好きでも嫌いでも、「多すぎる!」かもしれません。なぜこんなに増えてしまったの? 私たちはどうすればいいの? このままカラスは増え続けるの?、、、と「カラス、なぜ襲う」の著者である松田道生さんをお尋ねしてみました。
《松田道生さんPROFILE》
1950年、東京生まれ。1972年、東邦大学理学部生物科卒。日本鳥類保護連盟就職。1984年、日本鳥類保護連盟退職。1987年、日本野鳥の会就職。1993年、日本野鳥の会退職。現在、フリーで出版、放送、あるいは自然観察会の指導をされています。日本野鳥の会嘱託専門員、日本バードカービング協会理事、全国愛鳥教育研究会顧問、日光野鳥研究会顧問。立教大学非常勤講師。
《著書》
「江戸のバードウォッチング」あすなろ書房、「はじめてのバードウォッチング」ほるぷ出版社、「野鳥観察図鑑」地球丸、「大江戸鳥暦」河出書房新社、「カラス、なぜ襲う」河出書房新社など多数
松田先生は大学卒業後、日本鳥類保護連盟に就職されたと伺いましたが、子どものころから鳥がお好きだったのですか?
 はい。子どものころにはブンチョウを飼っていました。男の子だからカブトムシを捕りに行ったり、小学校の高学年では学校の動物の飼育係もやりました。本を読むのが好きで、「ドリトル先生」や「シートン動物記」「不思議の国のアリス」などを読んで、動物と話ができたらいいなぁと思っていたんです。
 中2の時に読んだ中西悟堂さんの「定本野鳥記」には感銘を受けました。これは日本人の書いた本ですしね、、、。中西さんは鳥を飼っていて、最初は普通に飼っているのですが、次に鳥を「放し飼い」にするということをされています。出て行くのも自由、帰って来るのも自由にさせるんですね。それから野外でのバードウォッチングへと移行していきます。中西さんは日本野鳥の会を設立した人なんですよ。古本屋に通って鳥に関するエッセイや写真集などもたくさん読みました。
 高校生の時に日本野鳥の会に入り、大学は鳥のことを勉強するために行きました。卒論を書くために山階鳥類研究所に通っていたのですが、そこに日本鳥類保護連盟の事務所があって、そのままそこに就職したわけです。
カラスについてはいつごろから研究されているのですか?
 ぼくは35年間鳥を見てきましたが、カラスはこの3年くらいです。シンポジウムを手伝ったのがきっかけだったのですが、そのころはまだカラスをやっている人がたいへん少なかったのです。
カラスってたくさんいるし、身近な生き物ですよね。そのわりにはまだわかっていないことが多いようですが、その原因はなぜでしょう? カラスって頭がいいし、面白いと思うんですけど、、、。
 鳥が好きで、趣味で鳥を見る人にとっては、やっぱり見てきれいな鳥がいいでしょう? 研究するなら、ワシやタカなどの猛禽類や絶滅種のほうが面白い。第一、カラスはお金にならないですよ。鳥を撮るカメラマンだって、きれいな鳥なら写真集になりますけど、カラスじゃ写真集にならないし、イラストレーターもカラスを描く仕事は少ないですしね。
先生はカラスについての本をお書きになっていますが、カラスはお好きですか? カラスの魅力ってどんなところでしょうか?
 カラスは感情が伝わるところに魅力があるんじゃないでしょうか。喜んだりがっかりするのがわかりますから。好きかと言われると、う~ん、、。できるだけ客観的に見るようにしています。でないと、対策を誤ってしまいますから。「好き」から始まるのと、「嫌い」から始まるのでは、対策が違ってきますからね。
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カラスはなぜ嫌われるのでしょうか? どこがいけないんでしょうね?
 やはり「死肉を喰う」というイメージでしょう。昔から戦場や飢饉で死んだ人に群がったりしているのを、人間は見てきたわけですよね。そういう記憶が先祖代々続いてきているわけです。黒いからというのもありますが、日本人が喪服を着るようになったのは明治以降ですから、黒、イコールお葬式というのは明治以降のイメージでしょうね。
 だいたい、カラスが好きだというほうが少ないと思いますよ。農耕民族である日本人は、ずっとカラスの被害を受け続けているのですから、カラスが好きだと言うほうが珍しいでしょう。それが、最近になって「カラスが好き」という人がけっこういるようになったんです。不思議ですねー。芸術家タイプの人はカラスが好きな人も多いみたいですけど。
カラスに嫌われるタイプの人っていますか? 襲われやすいというか、、、。
 人間のタイプには関係ないです。
オトナでも子どもでも?
 ええ。人間ではなく、カラスのほうのタイプですね。怒りっぽいカラスもいれば、温厚なカラスもいます。それと、カラスのトラウマというか、経験にもよります。制服を着た人に巣を壊された経験のあるカラスが、似たような制服を着た人を狙うことはあります。
 それと、巣より高い場所に来る人ですね。マンションの近くに巣がある場合、巣より上にある階のベランダの人や屋上に上った人、街路樹に巣がある場合、その近くの歩道橋を歩く人などです。カラスにとって上から来る敵は防ぎにくいんですよ。だから、上から見られるとカラスは「ヤバイ!」と感じて、攻撃のスイッチが入ってしまうんです。
先生ご自身はカラスから攻撃されたご経験がありますか?
 それが、、、ないんですねー。なんだかつまらないですよ。人の経験談とか聞いてると、面白そうなんですけどねー。ぼくは見ているから襲いにくいんですかねぇ。「気配を感じて、振り向きざまにカラスに平手打ちをかましてやった」という人の話などを聞くと、うらやましいな~と思ってしまいます(笑)。
同じような都市でも、大阪や福岡などではあまりカラスはいないそうですね?
 大阪には木がないです。カラスのねぐらとなる緑地が少ないですね。京都では、ねぐらは周囲の山です。福岡はゴミの早朝回収をしているようです。
東京のカラスはいつごろから増え始めたのですか? また、それはなぜですか?
 増え始めたのはバブルの時代ですから、1990年ころですね。バブルが終わってゴミは少し減ったのですが、92、3年に東京都が透明なゴミ袋を導入したことが、カラスには有利に働きました。中身が見えるから、生ゴミを探しやすいんですね。ここ1、2年は横這い状態のようです。
東京以外で、こんなにカラスの多い都市はありますか?
 川崎など東京周辺には多いです。あと、北海道ですね。牧場があるのでたくさんのハシボソガラスがいます。東京でもカラスの密度にはムラがあって、成増あたりはわりと少なかったりするんです。世界的にはないですね。ヨーロッパの都市で問題になるのはハトです。
東京都のカラスプロジェクトについてどう思われますか? 成功するでしょうか?
 石原都知事はカラスがお嫌いなんですよね。「嫌い」から始めると、問題の本質を見誤る危険があります。罠を仕掛けて捕獲するそうですが、捕獲されるのはまだ繁殖能力のない若いカラスばかりです。繁殖能力のあるオトナはあまり捕まりません。カラスは20年くらい生きる可能性がありますし、繁殖できるようになるまで3年はかかりますから、3歳のカラスはあと17年間繁殖を続けるわけです。
 それに、23区のカラスを少々駆除したところで、東京周辺のカラスは8万羽から10万羽いますから、周辺からどんどん入って来ます。駆除というのは対処療法でしかないですからね。小泉総理ではないですが根本治療を行って、「痛みを伴う改革」が必要なんじゃないかと思うんですが、、、。
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カラスを減らすためにはゴミを減らすことが一番だと思うのですが、先生は何かそのためにやっていらっしゃることってありますか?
 うちはけっこう紙屑が多いので、生ゴミは紙屑にくるんで、収集の間際に出すようにしています。カラスはゴミ袋の中身をちゃんとわかっていて、濡れたゴミを狙って、乾いた紙屑は狙わないんですね。ファーストフード店から出たゴミで、レタスばかりが入った袋とポテトばかりが入った袋があって、見ているとカラスはポテトのほうを主に狙っていました。カラスは肉が好きなので、肉っぽい色のゴミも狙われます。
 カラスを減らす対策として、1ヶ月くらい生ゴミを出すのをストップできないかと思うことがありますよ。1週間くらいじゃぜんぜんダメですが、1ヶ月となると、カラスもかなり苦しいでしょう。
うちは生ゴミ少ないですよー。だいたい冷蔵庫の中に物が入ってないですからね(笑)。1ヶ月くらいは生ゴミ出さなくてもぜんぜん平気ですよ。いかに家でちゃんとごはん作ってないかということですけどね(笑)。
 でも、それが一番ですよ(笑)。
カラスに関することで、今まで一番印象的だったことはどんなことですか?
 そうですね、、、。ある時、六義園の正門の近くにカラスの幼鳥が落ちていたことがあったんです。ここを通る人が攻撃される可能性があったので、ビールケースで何とか捕まえたんですが、それはもう、親は大騒ぎです。で、その時に顔を覚えていたんでしょう、ぼくが行くたびにその親ガラスが騒ぐようになっていたんです。その後、旅行で17日間留守にしたので、「もう忘れてしまったかなぁ。ちょっと寂しいなぁ」と思っていました。でも、帰って来たらまだ覚えていて、ちゃんと(?)騒いでくれましたね(笑)。
カラスを飼いたいという人もいますが、やめたほうがいいですよね?
 飼うならずっと飼い続けることです。途中で放すと、そういうカラスは人間を恐れないため、人間の近くに巣を作ったりします。そのことが人間とカラスの摩擦の原因になりますし、そのヒナもまた人間を恐れず、人間を恐れないカラスが増えてしまうことになってしまいます。しかし、、、カラスは20年くらい生きるかもしれませんから、飼い続けるとしたらけっこう長いですよ。50歳から飼い始めれば、70歳になってしまいます。
もしも怪我をしたカラスを見つけたら、どうすればいいですか?
 放っておくしかないでしょうね。親から生まれて育つカラスの数が3羽とすると、それだけで元の1.5倍のカラスが増えているわけです。3羽育った場合、親を含めて合計5羽。5羽うち3羽は死なないとカラスは増え続け、バランスを崩してしまいます。
 スズメなどは1日1個づつ卵を産んで、すべて産んでから卵を暖め始めるのですが、このやりかただと卵は一気に孵ります。しかし、カラスは産んだ順番に暖め始めますから、最初に産んだ卵が先に孵り、順番に孵っていきます。だから、最初のヒナが一番大きいわけです。餌が少なくて、ヒナのすべてを育てられない時、最初の1羽だけでもなんとかして育てようという作戦なんですね。つまり、後のヒナはダメもとのヒナなんです。
 カラスは平均で5個くらい卵を産みますが、普通は2、3羽育てばいいほうです。でも、東京では餌に困らないので、5羽のヒナ全てが育ってしまうんです。だから「かわいそうだ」と思っても、放っておくほうがいいんです。
先生は何かペットを飼っていらしゃいますか? 今まで飼ったことがありますか?
 飼っていません。出かけることが多いですからねー。カラスを飼ってみたいという気持ちもあるのですが、出かけられなくなっちゃうでしょう? しかも20年ですからねー。
そうなんですねー。うちには猫がいますから、出かけられないです。
 つまらなくないですか?
実はもともと出不精で、猫とゴロゴロしているのが好きなんです(笑)。
 なるほど。
人間と野生生物との摩擦はいろいろありますが、何が一番問題だと思われますか? 共存していくためにはどうしたらいいでしょうか?
 人間と関わりを持つ動物が多すぎることですね。本来の姿に戻すような、発想の転換が必要な時期にきているんじゃないかと思います。学校でも野生動物との付き合い方は教えませんよね。
日光のサルの問題でも、サルに餌をやっている人は「サルが好きだから」って言うんですよね。でも、好きだったら、本当はやるべきじゃないですよね?
 そうです。
先生がカラスだとしたら、人間に対して何かおっしゃりたいことがありますか?
 う~ん、、、。「人間の勝手でしょ?」っていうことですかねー。カラスは増えているのではなく、増やされているんです。
ありがとうございました。
松田先生は、インタビューの前に、東京駒込の六義園に連れて行って下さいました。双眼鏡の見方から、カラスのねぐらや巣の位置、糞やペレット、抜けた羽から何がわかるかなどなど、いろいろ教えていただきました。鳥の先生は、植物の名前も良くご存じなんですね!、、、と思っていたら、今度はルーペを持って、落ち葉の裏や落ちた木の枝などをひっくり返して見ています。伺ってみると、粘菌を探しているとのこと。ふ~ん、いろいろ面白いものがあるんですねー。六義園で双眼鏡とルーペを持って、何やら怪しい人がいたら、それが松田先生です。
★松田先生のHP→「鳥の道くさ」
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